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塾頭の生い立ち~就職活動~その2

2020/09/09
Victoryブログ

こんにちは。

塾頭山崎です。

S商事から時間をもらったので、

1~2年生の時に同じクラスだったH君が勤めている

M銀行から「面接に来てください」との連絡があり、

指定された場所に行きました。

昼食をごちそうになり、色々銀行の話を聞かせてくれました。

「また、明日もおいで」と言われ、

翌日も昼食をごちそうになりながら、色々話を聞かせてくれました。

こちらからも質問をして答えてもらいました。

その間、メーカーにも電話をかけ、

面接をしてください、とお願いしても

「当社はまだ動いていない」と言われるだけでした。

これは銀行に入ってから知ったことですが

当時、「就職協定」というのがあり、

「8月20日解禁」と決まっていました。

つまり、8月20日以降でないと「内定」は出せない

約束(あくまで「紳士協定」)だったのです。

ここで鋭い人は「あれ?6月30日は?」と

思ったことと思います。

そうなのです。私が就職活動した1989年は

金融・商社がこの約束を破ったのです。

私が就職して、すぐに採用活動を手伝うように

言われた1990年は、メーカーが6月30日に動いて

金融・商社は8月20日を守ったのです。

そんなこんなで、毎日M銀行から呼び出され

食事をごちそうになって、

「うちに来ないか」と毎日言われ、

そのたびに「まだメーカーを見ていない」

と言って断っていました。

カッコつけているつもりはありませんでしたが、

私は内定をいくつも取って、最終的に

「辞退」するには嫌でした。

なぜか分かりませんが、ポリシーとして

「内定は1社だけからもらう」という変な

考えがありました。

M銀行から誘われて一週間近く過ぎた時

H君から電話がかかってきました。

「どうする?もう銀行の採用活動は終わるよ」と。

「どうしよう。S商事もあるし、

メーカーは全然見ていないし…」

と私は焦り始めました。

国際電話をかけて父に相談しました。

父は「どちらもいい会社だから自分で決めろ」

と全然参考になりませんでした。

「商社マン」か「銀行マン」

どちらが自分に合っているだろう?

と「今更」ながら考えました。

それを考えていたら、

エジプト時代を思い出し、

「商社マンの家族は毎日接待していた」ことを

思い出しました。

私はお酒に弱く、たくさん飲めません。

「接待の多い商社マンは勤まらないかなあ」

と思い始め、

「銀行は大都市にしかないけど、商社は

地球のどこに行かされるか分からない」

とか

「一度配属された部署から逃げられない」

(つまり、鉄鋼部に配属されたら一生鉄鋼マン)

といった商社マンに対する「ネガティブ」な理由が

次々出てきました。

最後には「銀行は個人から法人まで幅広い顧客がいる。

その中で将来、自分が起業するヒントとなる「出会い」が

あるかもしれない」と考えました。

翌日、M銀行に電話を入れ、

「お世話になります」と伝えました。

銀行に返事をした翌日の夜、

S商事の人事部長から直々に電話を頂きました。

部長:どうだ、山崎くん、就職活動は?

私:部長、すみません!銀行にお世話になります。

部長:何?銀行?メーカーを見に行くって言っていたではないか。

私:はい、そうなのですが。メーカーは動かなくて…

部長:それで銀行?銀行は「いいことしか言わないぞ」

「騙されるな」と部長。

私:確かにそうかもしれないです。

部長:うちは君が来てくれると信じて時間をあげたんだ。

その方が、君を真に評価していると思わないか?

私は、この言葉に打たれ、涙が溢れ出てきました。

確かに銀行は毎日自分を拘束し、最後は返事を焦らせた、

ということが頭を駆け巡りました。

しかし、「自分で」決断したのです。

私:部長、本当に申し訳ございませんでした。

銀行に返事をしてしまったので、これを覆すわけには

行きません。「就職は縁」ですので、縁がなかったと

いうしかありません。

と泣きながら伝えるのが精一杯でした。

部長:そうか…

ここで自分の中に沸いてきた質問を部長にぶつけました。

私:部長、一つお聞きしていいですか?

部長:なんだね?

私:何で「私」なのですか。何が評価のポイントでしたか?

部長:君には「日本人のアイデンティティー」があるんだよ。

この言葉を聞いた時、「後悔」の2文字が頭をよぎりましたが、

もう引き返せません。

私は再度、お礼とお詫びをして、電話を切りました。

私の就職活動は終わりました。

その後、ゼミ合宿に参加して、

みんなの前で「M銀行」に決めたことを発表しました。

ゼミの先生から一言。

「銀行に一番合わないよね、君は」

私は打ちのめされました…

今日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました。